スピーカー

Rubyの最前線で活躍する国内外のリーダー、イノベーターたちがRubyWorld Conference 2026に集結します。

基調講演

Day 1 Keynote

Irina Nazarova

Evil Martians / CEO

Session Title Ruby Startups Today
Abstract

2026年、何かが静かに動き始めています。 新世代の創業者たちは 「Rubyだから選ぶ」のではなく、「最も合理的な選択だから」という理由で、野心的なプロダクト開発にRubyを採用しています。 本講演では、Y Combinator出身者やVC出資を受けるチームへのインタビューをもとに、 「なぜ今、Rubyなのか」「Rubyの強みと足りないものは何か」という問いに対するリアルな声を紹介します。 エージェント型ソフトウェア開発、Rubyで構築するAIワークフロー、Rails流のモダンフロントエンド、そしてプロトタイプから大規模サービスへと成長するまでの道のりをテーマとし、Rubyがもたらす価値と、これからのエコシステムに求められる進化を、オープンソースや知識共有の視点から考え、Rubyの次の未来をともに描きます。

Day 2 Keynote

まつもとゆきひろ

一般財団法人Rubyアソシエーション / 理事⻑

Session Title 講演タイトルは決まり次第掲載します。
Abstract

講演概要は決まり次第掲載します。

セッション

平岡 瞬

株式会社永和システムマネジメント

2026年12月3日(木) 14:30 - 14:45

Run Ruby Everywhere with the seL4 Microkernel

Rubyは通常、OSの様々な機能に依存することで動いています。そのため基本的にOSの上でRubyは動いています。逆に言えば、必要な機能を最低限提供できるカーネルを用意することでほかのマシンでもRubyを動かすことができます。 本発表ではseL4(エスイーエルフォー)というマイクロカーネルの上にRubyを移植したことをお話しします。またそれによりRubyを様々なハードウェアへ移植できる可能性についてもお話しします。

小山 航太

株式会社Hubble / Lead Backend Engineer

2026年12月3日(木) 14:50 - 15:05

Ruby×LLMでユーザー体験は本当に向上していますか?——エラー検知から辿るアンチパターン

Rubyで動くアプリケーションにLLMを組み込むプロダクトが増えています。 transaction(トランザクション)で一貫性を守り、画面遷移の前に同期で済ませる——いつもの書き方で実装し、レビューもテストも通りました。ところが本番では、ユーザーの画面がローディングのまま固まり、監視には ActiveRecord::LockWaitTimeout (アクティブレコード・ロック・ウェイト・タイムアウト)のアラートが上がっていました。 コードは正しく動いている。それなのに、AIで便利にするはずだったユーザー体験が後退する——そんな経験はありませんか。 本セッションでは、申請フォームのAI自動入力で起きた1件のエラーを入口に、原因から改善までを Before/After のコードと実測値で辿ります。これから組み込む方にも、すでに悩んでいる方にも、設計の判断材料をお渡しします。

佐藤 直之

RIZAPテクノロジーズ株式会社 / 取締役

2026年12月3日(木) 15:40 - 16:10

SaaSを『卒業』して、海を渡る — 無人ジム2,000店を支えるRails内製と、AIが動かしたBuild vs Buyの分岐点

chocoZAP(チョコザップ)の店内カメラ2万台、サイネージ、予約システム。いずれもSaaS(サース)で立ち上げ、Rails(レイルズ)の内製に置き換えました。出発点は、外注に頼っていた時代に得た教訓でした。新卒が半数を占める開発組織による5年間の内製化と、AIエージェントの登場でBuild vs Buy(ビルド・バーサス・バイ)の損益分岐点がどう動いたかを、実数とともにお話しします。AI時代にもRubyを選び続ける理由と、香港・台湾へ渡り始めた内製基盤もご紹介します。

Asfur Georgy

Evil Martians / Software Engineer

2026年12月3日(木) 16:15 - 16:45

Circuit Breakers for Ruby in the AI Era

外部APIの応答遅延がアプリケーションのリソースを枯渇させ、無関係な機能まで停止させる「カスケード障害」について解説します。サーキットブレーカーパターンの基本から、Rubyでの実装、Redisを用いた本番環境での運用方法、そしてオープンソースのサーキットブレーカーGem「Stoplight」の仕組みや内部実装まで紹介します。さらに、Redisのラウンドトリップによるボトルネックを解消するためにLuaスクリプトを活用したパフォーマンス改善についても取り上げます。

伊藤 浩一

株式会社永和システムマネジメント / エンジニアリングマネージャー

2026年12月4日(金) 11:30 - 11:45

RubyではじめるFine-Tuning

LLM (Large Language Model: 大規模言語モデル) を開発対象のアプリケーションそのものに組み込むための、RAGやMCPといった技術はRubyエコシステムでも徐々に広まってきています。その一方で、LLMそのものを要件にあわせて調整するfine-tuningについてはどうでしょうか? 推論時に外部から必要な情報をコンテキストとして与えるRAGに対して、モデルのパラメータを調整することで、その振る舞いや判断傾向を変えるのがfine-tuningです。fine-tuningは、機械学習のエコシステムで先行しているPythonで行われることが主流ですが、Rubyから扱うこともできます。 本講演では、fine-tuningの基礎とそれをRubyから扱うプログラムをお見せします。fine-tuningの中でもLoRA (Low-Rank Adaptation) という技法を取り上げます。バックエンドはPythonとなりますが、PyCallを通じたRubyコードで仕組みを理解することができる内容です。ローカルLLMでも使われるfine-tuningを通じて、LLMそのものを調整する世界やRubyエコシステムの状況について共有します。

柴田博志

株式会社アンドパッド / フェロー

2026年12月4日(金) 11:50 - 12:05

Ruby on Windows

日本の企業や自治体、教育機関の標準環境は Windows です。しかし環境構築の難しさから、Ruby が技術選定の候補から外れてきた組織は少なくありません。本講演では、管理者権限もインストーラも必要とせず、コマンドひとつでビルド済み Ruby を導入できる新しい仕組みを紹介します。あわせて、企業のセキュリティ審査に耐える配布物をどう用意したかにも触れます。Windows で安心して使える Ruby は AI エージェントに任せられる作業を増やし、環境に関係なくエンジニアの生産性を高めます。

羽角均

株式会社アンドパッド

2026年12月4日(金) 13:05 - 13:20

REST再始動: Funicular on Rails が運ぶもの

Funicularにより、RailsのフロントエンドをネイティブRubyで書けるようになりました。その中核にあるObject-REST Mapperは、Railsのリソースをブラウザ上のRubyオブジェクトに写像します。 本トークでは、Roy FieldingのREST制約をひとつずつ再訪し、Railsのいつものコードだけでそれらが満たされることを示します。そして「忘れられた制約 -- Code on Demand」の真の姿とともに、RailsとRESTが新たな旅を始めた理由をお話しします。

伊藤 潤平

株式会社SmartHR

2026年12月4日(金) 13:25 - 13:40

Ruby合宿のDXRubyゲームをブラウザへ —— PicoRuby.wasmでゲーム実行環境を作り直す

島根県の「Ruby合宿」で仲間と作ったDXRuby(ディーエックスルビー)製のゲームは、DirectX(ダイレクトエックス)環境が必要なため、誰でも気軽に遊べる状態ではありませんでした。本講演では、このゲームをPicoRuby.wasm(ピコルビー ワズム)を用いてブラウザだけで動くよう生まれ変わらせた過程を紹介します。移植のために自作したライブラリ「PicoDX(ピコディーエックス)」の開発で直面した課題と、実現できたこと・できなかったことを共有します。会場ではデモもお見せします。

小芝 敏明

株式会社CARTA HOLDINGS / スタッフエンジニア

2026年12月4日(金) 13:45 - 14:00

The Story of My Solo Hobby Project Bringing AI, MCUs, PCs, Smartphones, and Smartwatches Together through the Super-Kawaii AI Desktop Robot Stack-chan PicoRuby Edition

この春より、OSSの"Super kawaii AI desktop robot" スタックチャンのPicoRuby版の個人開発を行い、ロボットとしてのファームウェアから。Mac、iPhone、Apple Watchでの操作アプリケーション、AI制御、通信機構など、機器を横断する技術としてPicoRubyを全面適用し、連携動作を実現している。 このような広さの趣味開発を、どのような技術とコミュニティを足掛かりに進めてきたのかを、個人という最小単位でスケールする開発スタイルの一例として解説する。

Sampo Kuokkanen

Evil Martians / Executive Officer

2026年12月4日(金) 14:05 - 14:20

From RubyWorld to Ruby PR: Fixing defined? and Giving Back

RubyWorldカンファレンスで、Matzは「外に出て、Rubyにプルリクエストを送ろう」と私たちに呼びかけました。そこで私も挑戦してみることにしました。まずは小さなことから始め、MRIとruby/specのテストを書くことから取り組みました。defined?の作業をしている最中に、Ruby本体にバグを見つけ、最終的にはそれを修正することになりました。 本講演では、そのバグをどのように発見し、どのように原因を追跡し、そして修正をRubyに反映させるまでに何が必要だったかについて紹介します。また、オープンソースへの参入方法や、自分の貢献について語ることが、どのように活動を続けるモチベーションにつながるのかについてもお話しします。もしかしたら、地元のミートアップを立ち上げるほどにまで、その勢いが続くかもしれません。

藤原 克駿

株式会社 メドレー

2026年12月4日(金) 14:25 - 14:55

マイコン横断型mruby/cプログラミング環境の開発と教育実践 -ブロックからテキスト,ブラウザからローカルコードエディタまで-

本発表では、ブロックプログラミングからRubyによるテキストコーディング、ブラウザからローカルエディタによる開発へと段階的に学べる、マイコン横断型mruby/cプログラミング環境を紹介します。本環境を構成する各ツールについて、その役割や相互の連携、実装上の仕組みを解説します。さらに、地域ロボコンや学校教育での実践、テキストコーディングへの移行支援、地域Rubyコミュニティと連携した教育支援について、本開発環境の動作デモを交えて報告します。

杉山耕一朗

松江工業高等専門学校 / 教授

2026年12月4日(金) 14:25 - 14:55

マイコン横断型mruby/cプログラミング環境の開発と教育実践 -ブロックからテキスト,ブラウザからローカルコードエディタまで-

本発表では、ブロックプログラミングからRubyによるテキストコーディング、ブラウザからローカルエディタによる開発へと段階的に学べる、マイコン横断型mruby/cプログラミング環境を紹介します。本環境を構成する各ツールについて、その役割や相互の連携、実装上の仕組みを解説します。さらに、地域ロボコンや学校教育での実践、テキストコーディングへの移行支援、地域Rubyコミュニティと連携した教育支援について、本開発環境の動作デモを交えて報告します。

小芝 美由紀

株式会社スマートバンク

2026年12月4日(金) 15:30 - 15:45

「たのしい」を入り口に、その先へつながるワークショップの作り方

ワークショップは一人では踏み出しにくい最初の一歩を、安心して始められる場です。私はRubyによるクリエイティブコーディングやPicoRubyを題材に、30分から4時間まで実施時間の異なるワークショップを行ってきました。限られた時間で目指すのは網羅的な習得ではなく、「自分にもできた」「楽しかった」という成功体験です。本セッションでは、ゴール設定の考え方、内容を削る判断の基準、時間が変わっても使える構成の型をお伝えします。あわせて、企業がワークショップに関わった事例もご紹介します。

鳥井 雪

NPO法人Waffle, 株式会社万葉 / カリキュラム・マネージャー/フェロー

2026年12月4日(金) 15:50 - 16:20

中高生はAIとどう付き合っているか ― 中高生Rubyプログラミングコンテストの現場から

生成AIが身近になった今、中高生はプログラミングにAIをどう取り入れているのでしょうか。本講演では、中高生Rubyプログラミングコンテストで得られたAIの利用状況のデータを紹介します。あわせて、IT分野のジェンダーギャップ解消に取り組むNPO法人Waffleの活動で、AIをどのように位置付けて取り入れ、参加者からどのような反応があったかをお話しします。データと現場の声の両面から、AI時代に若い世代がプログラミングを学ぶ姿と、それを支える大人にできることを考えます。